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by EATME
special issue

約8年にわたり、EATMEを牽引してきた
ディレクターの益若つばさが退任を発表。
立ち上げから今までに至るまでの
EATMEの歴史や想いを赤裸々に語ってくれました。
愛あるメッセージを感じとってください。
つーちゃん本当にありがとう!

Photo_Norikazu Hashimoto Hair&Make-up_Yuki Takahashi
Design_PASSAGE Edit&Text_Miki Kuwamori

立ち上げ当初は本当に苦労しました。EATMEのコンセプトでもある、毒っ気と甘さがMIXされた品のあるフェティッシュな世界観のファッションというジャンルは当時はまだなく、デザインが王道の売れ線ではなかったのでなかなか理解されにくくて、会社の大人達に「売れるわけがない」、「世の中にあるものを作れ」と言われ、初めはブランドテーマを反対されていたんです。でも絶対に形になったら可愛いし、世の中にないものだからこそ作りたいと思っていたので、絵型を描いて説明してを繰り返し、そういう戦いの中から誕生したブランドでした。サンプルもなかったので、イメージを作り手側の人達に伝えることも結構大変でしたね。そこから3年くらいかけて、徐々に若い女の子や感度の高い方達に浸透していきました。ヘアメイクも、いわゆる地雷メイクとかよりもずっと前からEATMEはそういうメイクをしていて、当初は怖いと言われていたのが、だんだんようやくマスになって、今では結構スタンダードなジャンルに確立していったので、EATMEはある意味ひとつの女の子の時代をちゃんと作れたなと思っているので、自分の中ではやりきったというか、満足していますね。

やりがいや苦労したことを
教えてください。

EATMEの洋服を着ている人や、ショッパーを持っている人を街で見かけたときにやりがいを感じましたね。自分が作った洋服だと遠くにいても、すぐにわかるんです。あと「EATMEの洋服はラインがすごく綺麗で可愛い」「EATMEの洋服が本当に大好きです」とか、そういう声をたくさんいただけたのもすごく嬉しかったです。喜んでくださるお客様の反応をたくさん知ることができてすごく感動しましたし、自分自身が体型にコンプレックスがあって作ったブランドでもあるのでEATMEをやっていてよかったなと思います。

逆に苦労したことは、ブランドコンセプトが理解されにくかったことも大変でしたが、当初デザイナーさんがいなくて自分で全部絵型を書いていたことですかね。サイズ作りがすごく大変で、だいたい洋服が入らなかったり、首が通らなかったり。サンプルを100体くらい全部一人で着ていました。何着も脱いだり着たりしながら、ここをもうちょっと細くしたらウエストが綺麗に見えるなとか、でもそうすると着づらいかなど、ミリ単位の作業をずっと調整して。着たときにスタイルが良く見える洋服じゃないと作りたくなかったので、そのEATMEのスタンダードなサイズ感やデザインの形を含め、定番になるまでが結構苦労しましたね。

元々、洋服のデザインの経験は
あったんですか?

プロデュース業はずっとしてたので、コラボで1、2体作ることとかはあったんですけどシーズンごとのコンセプトで100体近くの洋服を毎シーズン作ることは初めてだったので、最初は頭がパニックになりましたね。自分の好きを詰め込みすぎるとクセが強すぎて売れない。でも王道なデザインに偏りすぎるとEATMEらしさがなくなってつまらなくなる。独創的かつ売れるもの、そのバランスが難しかったです。自分だけの意見だと売れないものも作りがちだったので、周りのスタッフと話し合って両方の意見を取り入れながらデザイン作りを続けました。

どういう風にデザインを
考えていましたか?

頭の中だけでわからないときは、洋画や音楽、洋書などをたくさん見たり聴いたりしてインスピレーションを掻き立てていました。洋画はストーリーが面白くて見るというよりも、おしゃれな雰囲気だったり、ヒロインの着ている洋服の襟のディテールが可愛いとか、デザインに生かせそうなポイントを探しながら見てましたね。音楽だったら、聴きながらこの音楽のムードに合いそうな女性像をまず思い浮かべてそこからその子が纏っている洋服はどういうのだろうかと考えてみたり、洋書だとフェティッシュな本やSM系の本を見ました。そこから着想を得たハーネスや拘束っぽいディテールはEATMEの定番のデザインになっています。基盤となっている「フェティッシュ」というスタイルの歴史の勉強もたくさんしました。

EATMEでの嬉しかった
思い出を聞かせてください。

本当にたくさん素敵な思い出があるんですが、やはりファッションショーに出させていただいたことはすごく嬉しかったです。今までコスメなど色々なもの作りをしてきましたが、有名なモデルさん達に着ていただき、ランウェイでお披露目させていただくという機会がなかったので本当に新鮮でしたし、感動しました。

6年前にファッションショーに初めて出てから何度も出させていただいているんですが、「EATMEのショー良かったよ」って言っていただく機会が多くて、反響がダイレクトに伝わるのも嬉しいですね。

あと私自身、実際にモデルとして表にも出たことがあるからこそステージのコンセプトにも力を入れてましたね。音楽や照明、映像ビデオだけではなく、モデルさん達の表情や歩き方にも細かく指示をしていました。EATMEのコンセプトをしっかり説明した上で、ドールのように無表情でこういう風に歩いてほしいとモデルさん達に伝えて、みんなで一致団結してショーを作り上げていった感じでした。なんかそのチーム感というか、達成感がすごくあって本当に楽しかったです。

あとは路面店がオープンしたことはかなり大きかったです。立ち上げから路面店を出すっていうのが割と前代未聞らしく……、今思うとよくやったなって思うんですけど、嬉しかったですね。でも最初の3年間くらい実はずっと赤字だったんですよ(笑)。場所が原宿の一等地みたいなところで、なかなか黒字にならなくて不安でしたね。でもスマホケースやパンプスなどの小物アイテムに助けられて、経営を支えてもらってました。洋服よりも小物が先に売れる日々でEATMEが浸透するまでスマホケースばかり売っていましたが、でもそれも含めてめちゃくちゃ良い思い出ですね。

みんなでデザインしたオールモノトーンの内装も、今でもすごく好きです。高級感もあるし、東京に来たらここへ行きたいと言ってくださる方が多いのでこのままお店が続いていってほしいなと思いますね。

最後に、
EATMEのファンの方達に向けて
メッセージをお願いします。

私のファンで立ち上げからずっとEATMEを好きでいてくれた方達もいると思うし、もしかしたら私のことを知らなくてEATMEを知ってくれて、実は私がディレクターなんだって最近知った方達もいると思うんですけど、EATMEを愛してくれたことが私はすごく嬉しくて本当に感謝しかないです。EATMEの洋服を着るとみんなに褒められるとか元気をもらえるとかこの8年間言っていただける機会が多くて、そこまで愛されるブランドに成長したんだと常日頃感じながら生きてきました。私は洋服は名刺だと思っていて、言葉を交わさなくても見た目でその人の好きなものやパワーを感じられるのが洋服の良さだと思うので、その大切な日常の中にEATMEを選んでくれてすごく嬉しいなって思うし、私はディレクターを退任してしまいますが、これからもみんなにずっと愛されて10年、20年と続くようなブランドになっていって欲しいです。立ち上げから今までサポートしてくれたメンバーのみなさん、ショップ店員のみんな、EATMEを愛用してくださったお客様、本当にありがとうございました。私もずっとEATMEを好きでい続けたいと思います。